企画展
2024年9月21日(土)~10月20日(日)
世田谷文学館 1階文学サロン
10:00~18:00
*展覧会入場、ミュージアムショップは17:30まで
毎週月曜日
ただし9/23(月・祝)、10/14(月・祝)は開館、翌日休館
無料
公益財団法人せたがや文化財団 世田谷文学館
世田谷区、世田谷区教育委員会
未來社
下高井戸シネマ
フランス文学者、文芸評論家、そして当館名誉館長である菅野昭正の最後の著作『小説と映画の世紀』(2021年)をご紹介します。同書で小説と映画というふたつの芸術ジャンルを比較するにあたり、菅野は12編の原作小説と映画作品を選びました。それらはどれも20世紀に創作され、また菅野自身の生きた激動の20世紀を映しだす作品でもあります。トーマス・マン『ヴェネツィアに死す』、フランツ・カフカ『審判』にはじまり、ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』、ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』で幕を閉じる同書は、時代に翻弄される人物や状況が、作品とともにゆるやかな時系列に並べられ、菅野の目を通した20世紀の思想史を私たちに提示しています。 本展では、これら12の作品を映画ポスター等の資料とともに紹介しながら、小説と映画の織りなす世紀に思いを馳せ、過去だけでなく未来にも向けられた菅野の眼差しを追います。展示と上映会、トークイベントなどを通して、小説と映画の関係について考える展覧会です。
菅野昭正(かんの・あきまさ)
1930年、横浜市生まれ。フランス文学者、文芸評論家。東京大学名誉教授。1984年『詩学創造』で芸術選奨文部大臣賞、85年『ステファヌ・マラルメ』で読売文学賞、96年『永井荷風巡歴』でやまなし文学賞、2011年ジョナサン・リテル『慈しみの女神たち』(共訳)で日本翻訳出版文化賞受賞。東京大学・白百合女子大学でフランス文学を講義(教授)。1982年から2004年まで東京新聞などで「文芸時評」を連載、同時代の国内外文学作品を追い続け〈文学〉を探究した(『変容する文学のなかで』全3巻)。2007年から約14年にわたり世田谷文学館館長を務め、2021年4月より世田谷文学館名誉館長。日本芸術員会員。紫綬褒章、旭日中綬章受章。2023年、93歳で逝去。