元々趣味で写真を撮っていた夫。勤めていた会社を辞めてフリーランスの写真家となってからは、自宅にスタジオを構え、広告写真の撮影を専門にしていました。その傍ら百科事典や出版関係の撮影で国内外の様々な場所を飛び回り、忙しい日々を過ごしていました。「自由人」を貫いた夫はとても社交的な性格で、誰にでも気軽に話しかける明るい人でした。孫を大変に可愛がっていた一面もあり、近くの遊園地に頻繁に連れて行ったり、自転車の練習に付き合っていた姿が懐かしく感じます。孫も「20歳になったらおじいちゃんと一緒にお酒を飲みたい。」と言って、とても懐いていました。
そんな中、体調が悪化し、病院を受診した頃には医師から余命を告知される程に病状が進行。入院はせずに自分のことは自分でやりたいという強い意志があり、最後まで自宅で頑張って暮らしていました。しかし、病には勝てず83歳で旅立ちました。
体験クルーズが決め手に
生前、夫は自宅で葬儀を希望しており、家族のみで見送りをしました。自身の供養についても、ずっと自然に還ることを希望しており、「子どもや孫に負担をかけたくない。世界と繋がっている海に散骨して欲しい。」と娘に何度も話していました。葬儀をお願いした会社から散骨の案内はいただいていたものの、今一歩踏み出すことができずにいました。
そんな折、偶然にも娘がサン・ライフの施設前を通りかかり、自然葬(散骨)のチラシを手に取りました。そこには事前に散骨の様子が分かる「体験クルーズ」の案内が記載されており、すぐに申込。体験クルーズの日は好天に恵まれ、他の体験希望のご家族と一緒に乗船しました。散骨の流れを丁寧に説明していただいたおかげでイメージが沸き、家族皆が納得して夫の散骨をサン・ライフにお願いしようと決めました。
夫の希望叶えたサン・ライフに感謝
当日は私たち家族で貸切だったので、他の家族に気を遣うことがなく夫を見送ることができました。心配していた天気も、私たちが桟橋に着くのを待っていたように晴れ間が広がったことが印象に残っています。担当スタッフの伊藤さんによる案内で心のこもったお別れができ、感謝しています。不思議なことに、船の後を一羽のカモメがついてきているのを見つけました。他のカモメがいなくなっても最後まで追ってくる姿を見て、きっと夫ではないかと思い、胸にこみあげてくるものがありました。
散骨のことを知人に話したところ「ご主人らしいですね」と感想をいだだき、改めて夫らしい見送りできたと実感することができました。寂しさはあるものの、本人の遺言である海への散骨を家族皆で無事に叶えることができ、ホッとしたと同時に清々しい気持ちです。本当にありがとうございました。