2024/06/12 (水) 18:43

西和賀町でアケビ蔓(つる)の植樹式

西和賀町では、昔から冬の農閑期の仕事としてあけびや山葡萄の蔓(ツル)、クルミの皮などを使った編み細工が伝承されてきました。
今でも、西和賀町北部の若畑地区のお母さんお父さんたちが集まり「若畑創作館」にて製作をおこなっています。
編み手の皆さんもだんだんと高齢化し、貴重な手しごととなりました。

材料となるあけびの蔓を山に採りに行くのも一苦労。
また、最近では熊の出没も多くなり、安心して山に入れない状況が続いています。

西和賀町では昨年度から、企業版ふるさと納税で株式会社ベスト様(岩手県北上市)からのご支援をいただき、その一部を活用してあけび蔓の試験栽培に取り組んでいます。

西和賀町の地域資源研究機関である「雪国文化研究所」により、あけびの種子の採集、苗の育成を行い、地域の牧野組合による試験地の整備などを経て、今年度の植樹式へと至りました。

植樹式では、株式会社ベスト 藤原社長、北上信用金庫 阿部専務理事、西和賀町 内記町長、西和賀町議会 高橋議長が参列し、参加者とともにあけび苗を植えました。

原材料を安定的に確保することで、作り手は製作に集中するとともに指導会や体験会などを通じて後継者の育成も期待されています。

西和賀町・若畑創作館の「あけびかご」

昭和52年、沢内村時代に若畑高齢者創作館が設立されてから、地域の人たちで集まって作り始めました。
昔は数十人いた編み手も、現在は7人ほどに減ってしまいましたが、お互いに教え合い、支え合いながらかご編みを続けています。

西和賀の手工芸として地域に受け継がれるつる細工。使うほどに艶が生まれ、味わい深くなっていきます。
あけびつるのほか、クルミや山ぶどうを使ったかご、稲藁を使ったキャットハウスなど、幅広いアイテムを製作しています。

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