Apple ProRes RAW について
Apple ProRes RAW や Apple ProRes RAW HQ を使えば、Apple ProRes さながらのパフォーマンス、品質、使いやすさで RAW メディアを扱うことができます。
Apple ProRes コーデックファミリなら、リアルタイムでマルチストリーム編集が可能なパフォーマンスの高さも、圧縮後も遜色ない画質の高さも両立できます。ProRes RAW は、既存の Apple ProRes コーデックと同じ原理に基づいていて、その基盤を支えるテクノロジも同じです。Final Cut Pro、Motion、Compressor でハイダイナミックレンジ (HDR) コンテンツを作成する場合に最適です。
ProRes RAW なら、ProRes で従来のビデオを扱う場合と同様のパフォーマンス、品質、使いやすさで RAW ビデオを扱えます。クリップをカメラ専用の RAW フォーマットではなく ProRes RAW フォーマットで保存しておけば、デモザイク処理、リニアから Log への変換、カスタム LUT など、画像処理時の自由度が高まります。
ProRes RAW を使えば、カメラのセンサーから直接 RAW データを読み込んで映像を編集およびグレーディングでき、編集時に速度が遅くなる心配もありません。柔軟度も極めて高く、映像の見た目を調節しながら、明度やシャドウも拡張できます。
ProRes RAW を使えば、レンダリングも書き出しも、ほかの RAW 形式よりも速く済みます。ProRes RAW は macOS と最近の Mac コンピュータ向けに最適化されています。さらに、ProRes RAW は標準のフォーマットよりもファイルサイズが小さいので、どのカードにも従来より多くのフッテージを収めることができます。
データレート
ProRes RAW の圧縮レベルは ProRes RAW と ProRes RAW HQ の 2 種類から選べます。どちらの圧縮レベルも RAW ビデオコンテンツをきれいに維持できますが、Apple ProRes RAW HQ はさらに画質に優れ、データレートも高くなります。ProRes RAW は、すべてのフレームについて一定の画質とそのままの画像を維持する仕様になっているため、データレートはイメージコンテンツによって大幅に変わります。
パフォーマンス
RAW ビデオの再生には、ビデオのビットストリームのデコードと、デコード後の RAW 画像の変換が必要です。Final Cut Pro では、Apple ProRes RAW ファイルについて、この変換処理が合理化および最適化されています。Final Cut Pro で Apple ProRes RAW を使えば、リアルタイムのマルチストリームビデオ編集時のパフォーマンスは、標準のメディアを扱う場合と変わりません。
Mac Pro (2019) では、ProRes/Pro Res RAW ビデオファイルのマルチストリームのデコードや再生を Afterburner カードが高速化してくれるので、さらなるパフォーマンスの向上を見込めます。
Mac で ProRes RAW を表示する
Mac に Pro Video Formats をインストールしたら、QuickTime Player とクイックルックで ProRes RAW ファイルを表示できます。ProRes RAW は、カメラのセンサーから直接ハイダイナミックレンジデータを取り込むので、Mac のディスプレイ上ではフッテージが露出過度に映る場合があります。
ProRes RAW は、カメラやビデオレコーダーが、カメラのセンサーからそのまま RAW データを取り込んで作成する収録フォーマットなので、ProRes RAW ファイルをビデオソフトウェアで作ることはできません。ProRes RAW ファイルをほかのフォーマットに書き出すには、Final Cut Pro、Motion、Compressor を使います。QuickTime Player では ProRes RAW をほかのフォーマットに書き出すことはできません。
関連情報
Apple ProRes RAW ホワイトペーパー (PDF) (英語)
「HDR and Wide Color Gamut in Final Cut Pro X」ホワイトペーパー (PDF) (英語)