- 相続した不動産を売却する際、相続税とは別に、譲渡所得税などの税金がかかる場合があります。
- 節税に使える特例や控除の適用条件に当てはまるかどうか確認しておくとスムーズです。
- 相続人同士で十分話し合い、相続登記をしたうえで売却手続きを進めましょう。
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目次
相続した不動産の売却にかかる税金
譲渡所得税
■譲渡所得税の税率
区分 | 所有期間※ | 所得税の税率 |
---|---|---|
短期譲渡所得 | 5年以下 | 30% |
長期譲渡所得 | 5年超 | 15% |
なお、譲渡所得は以下の計算式で求められます。
譲渡所得=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用) |
---|
登録免許税
■土地の所有権の移転登記
内容 | 課税標準 | 税率 |
---|---|---|
相続、法人の合併又は共有物の分割 | 不動産の価値 | 1,000分の4 |
内容 | 課税標準 | 税率 |
---|---|---|
相続又は法人の合併による所有権の移転 | 不動産の価格 | 1,000分の4 |
印紙税
■ 印紙税の税額
記載金額 | 本則税額 | 軽減税率 |
---|---|---|
100万円~500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円~1,000万円以下 | 10,000円 | 5,000円 |
1,000万円~5,000万円以下 | 20,000円 | 10,000円 |
5,000万円~1億円以下 | 60,000円 | 30,000円 |
1億円~5億円以下 | 100,000円 | 60,000円 |
必要な額の収入印紙が貼られていない、印紙額が不足しているといった場合には過怠税が課される恐れがあるので、十分に注意しましょう。
節税に使える特例・控除
取得費加算の特例
なお、取得費加算の特例を適用するためには、以下の条件を満たす必要があります。
・相続または遺贈によって財産を取得した人であること |
・相続税の課税対象者であること |
・その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること(相続税の申告期限は、原則として相続開始日から10か月) |
また、確定申告で譲渡所得税を申告する際はチェックシートの添付が必要となるので、注意しましょう。
相続空き家の3,000万円特別控除
譲渡所得=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除3,000万円 |
---|
・空き家が昭和56年(1981年)5月31日以前に建築されたものであること |
・区分所有建物登記がされていない建物であること |
・相続開始時点で故人以外に居住者がいなかったこと |
居住用財産の3,000万円特別控除
譲渡所得=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除3,000万円 |
---|
・自分が住んでいる家屋、または家屋とあわせて敷地や借地権を売却すること |
・家屋を取り壊していた場合、譲渡契約までの期間で土地を他の用途に供してないこと |
・売却した年、その前年および前々年にマイホームの買換特例などを利用していないこと |
・売り手と買い手の関係性が親と子、あるいは夫婦など生計を1にする親族でないこと |
・別荘など娯楽を目的として所有しているわけではないこと |
・一時的な居住を目的としていないこと |
低未利用土地などの100万円特別控除
詳しくは国税庁のホームページ「No.3226 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除」にてご確認ください。
1,000万円特別控除(平成21年および平成22年に取得した土地について)
不動産売却の税額シミュレーション
▼譲渡所得税・住民税(「復興特別所得税」含む)の計算式
(売却価格 – 購入価格 – 諸費用 – 特別控除)
=(5,500万円-4,800万円-500万円-3,000万円)
=▲2,800万円
上記より、答えがマイナスとなることから、譲渡所得税・住民税(「復興特別所得税」含む)は課税されずに0円となります。
相続不動産を売却する時の悩みは税金だけではない
【悩み1】相続不動産を放置するリスクを知りたい
【悩み2】相続不動産を換価分割したい
また、換価分割する際は遺産分割協議書の書き方が「共同登記」と「単独登記」の2つに分けられます。いずれもメリット・デメリットがあるため、法定相続人同士でしっかりと話し合うことが大切です。また、以下の記事でも詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてください。
【悩み3】いつ売却するのが得策か知りたい
一方で、経済的に余裕があるのであれば、土地の需要が高まったタイミングで売却することで、まとまった収益を得られる可能性が高まります。
相続税の納税資金に充てたい場合は早めに行動すべきでしょう。
相続不動産売却にともなう4つの注意点
【ポイント1】相続登記を忘れないようにする
もし相続登記を行わずに放置していた場合、不動産は相続人たちの共有財産と判断されてしまい、売却できない恐れがあるほか、ペナルティの対象になるケースもあるため注意が必要です。
【ポイント2】複数の相続人がいる場合は事前に話し合いをする
【ポイント3】悩んだら専門家のアドバイスをもらう
【ポイント4】売却の翌年は必ず確定申告を行う
ただし、譲渡所得がマイナスになる場合には確定申告が不要となることから、状況に応じて適切な対応をするようにしましょう。
まとめ
また、相続不動産の売却にあたっては不動産の価値をしっかりと把握しておくことが欠かせません。不動産の価値を適正に把握するためにも、物件の無料査定をおすすめします。
相続不動産ならではの注意点を事前におさえて、
不動産売却を行いましょう。
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この記事の監修者
宅地建物取引士/AFP/2級FP技能士など
元信託銀行員。複数の金融・不動産資格を所持。それらの知識をもとに、「初心者にもわかりやすい執筆」を心がけている。子育て世帯向けの資産形成、女性向けのライフプラン記事を得意とする。
特例や控除を活用し、できる限り譲渡所得をおさえるようにしましょう。