不動産売却を検討中ならまず査定をすることから。
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目次
不動産売却の査定とは
ただし、不動産の売買価格は売主と買主が納得した価格で決まるため、正しい査定額というものは存在しません。とはいえ、せっかく売却するなら少しでも高い価格で売却したいですよね。そのためには、不動産の査定方法を知ることが大切です。
この記事では、不動産売却全体の流れや、査定を受ける前にやっておくべきことをお伝えします。また、査定には種類があるので、それぞれの違いや特徴をしっかり把握しましょう。
売却の流れ
準備→査定→媒介契約→売却活動→契約
2.媒介契約締結・売却活動・見学・価格交渉・売買契約(1~3か月程度)
3.手付金受領・物件引き渡し・残代金受領(1~2か月程度)
まず、準備段階では売却する不動産の価格相場を自分で調べたり、整地や解体、分筆・合筆したりするなど、売却する前に必要なことをします。それらの準備が終わったら、不動産会社に査定を依頼することになります。
不動産会社から査定額の提示を受け、売却方針などに問題ないようであれば媒介契約を締結し、不動産会社が不動産の売却活動を始めます。
売却活動の結果、買主を見つけることができれば売買契約を締結し、買主のローン審査などを経て代金の入金を受け、引き渡しとなります。なお、媒介契約締結後、3か月で売買を決められなかった場合にはほかの不動産会社と改めて媒介契約を締結することもできます。
査定の前に価格相場を調べよう
「近隣の類似物件の価格を調べること」については、スマイティなどを閲覧し、売却する不動産の周辺で、面積や用途などが似た物件を探し、価格の参考とします。少なくとも3件以上の物件を見つけ、平均価格を出すことで相場を知ることができます。
また、固定資産税評価額については市区町村から毎年送られてくる納税通知書に記載があるので見てみましょう。
地価公示や都道府県地価については、おおむね取引価格と同程度、相続税路線価は8割程度、固定資産税評価額は7割程度の価格を目安に定めることとされています。
不動産価格指数は「全国・ブロック別・都市圏別・都道府県別に不動産価格の動向を指数化したもの」で、国土交通省より毎年発表されています。
査定の方法は机上査定と訪問査定の2種類
査定後は、不動産会社から査定価格の提示を受けますが、実際の売り出し価格は売主が自由に決めることができます。売主としてはできるだけ高い価格で売却したいところですが、相場よりあまりにかけ離れているようであれば売却を決めることは難しいでしょう。
一方、相場より安く設定してしまっては、本来であれば得られたはずの金額より低い価格での成約となってしまう可能性があります。不動産会社が提示した査定額やアドバイス等を参考に売り出し価格を決めるとよいでしょう。
このため、査定を依頼する際には単に査定額に留まらず、査定の根拠なども重要となります。以下、「机上査定」と「訪問査定」それぞれについてその特徴や査定の根拠などお伝えしていきます。
机上査定:相場観を知りたい方におすすめ
机上査定の算出根拠
マンションの場合、取引事例も豊富なことから、ある程度高い精度の査定も期待できますが、周辺環境が重要な土地や、個別性の高い戸建住宅などには向きません。
机上査定の特徴
訪問査定の場合は不動産会社が物件訪問時に立ち合わないといけないため、そうした時間を取れない方や、物件が遠方で立ち会えない方は机上査定を選ぶことが多いです。
机上査定で不動産会社を判断する基準
査定額を聞くときには、その査定額の根拠が書類上のものだけに留まらず、過去の取引実績から類推した根拠などがあると信頼性が高い不動産会社だと判断しやすくなります。ただし、気を付けなければならないのが、根拠もなく高い価格を提示する会社です。
こうした会社に依頼すると、査定価格通りには売却できず、結局値下げを繰り返していくことになり兼ねませんので注意が必要です。
たとえば、5~6社の不動産会社に机上査定依頼し、その中で「平均的な査定額を提示した会社3社を訪問査定を依頼する」といったような方針で取るのも1つの手だと言えます。
訪問査定:現実的な価格を知りたい方におすすめ
訪問査定の算出根拠
具体的には室内の状態を確認するだけではなく、建物の劣化や実際の日当たりに加え、駅からの距離な、スーパーや学校などへの距離、周辺環境、街灯の有無など立地についても査定額に反映されます。マンションの場合は専有部のほかに共用部や、近隣住民の情報なども査定額の対象になります。
不動産会社は物件に対して、さまざまな価格要素、購入判断要素、トラブル要素をチェックし査定額を算出しているのです。
訪問査定の当日までにやっておくこと
具体的には、以下のようなことをやっておくことをおすすめします。
必要書類については、必須となるのは登記簿謄本や公図などですが、それに加えて以下のようなものを準備できるとさらに精度の高い査定ができます。
□不動産の周辺環境が分かる鳥観図など
□購入時の売買契約書
□新築時の各種設計図書
□(マンションの場合)管理組合関係書類
※必要書類は不動産会社によって異なるため、それぞれの会社に確認をしてください。
訪問査定時に不動産会社に伝えること
・日当たり
・雨漏り
・騒音
・におい
・交通の便
・近隣入居者の雰囲気
・スーパー・学校までの距離
など
そのほか、もし過去に事件・事故・死亡があった場合は、訪問査定の時点で伝えておきましょう。知りながら隠しておき、売買契約が決まった後で買主がそのことを知った場合、損害賠償請求がなされることもありますので注意してください。
訪問査定の特徴
訪問査定では対象物件まで不動産会社の担当者に訪問してもらう必要があるため、そのときに必要な情報を対面で伝えることができます。多少時間がかかっても、より正確な査定を受けたいという方におすすめの方法です。
実際に不動産を売却するのであれば、いずれにせよ訪問査定を受けるのが原則です。査定を依頼する段階から、売却することを決めているのであれば、最初から訪問査定を選んでもよいでしょう。
机上査定と訪問査定の両方するという手段もある
不動産売却では、どの不動産会社を選ぶかによって成否が決まるため、時間に余裕のある方は「まずは机上査定で多くの不動産会社に査定を依頼し、その中で気になった不動産会社に訪問査定を依頼する」といった形をとるなど、両方してみるのもおすすめです。
査定は価格と根拠に納得できることが大切!
しかし、不動産会社としては、まずは媒介契約を得られなければ話を前に進めることができないため、ひとまず高い査定額を提示するといった考えの場合もあります。このため、査定を受ける際には単に査定額だけでなく、根拠と説得力のある査定額を提示してくれるかどうかが重要なポイントとなります。
不動産会社選びのポイント
不動産会社の強み
販売方法・売り方の方針
また、広告にしてもチラシに強い会社であれば比較的年齢が高い人にも情報が伝わりすく、ネットに強ければファミリーなど若い年代を含めた幅広い層に情報を発信できるといった特徴があります。こうした、販売方法が自分の売却したい不動産とマッチするかどうかを確認するとよいでしょう。
不動産会社の担当の対応
まとめ
「1社にだけ査定依頼して見極められず失敗してしまった」といったことのないよう、複数の不動産会社に査定依頼し、そのなかで気に入った不動産会社と媒介契約を結ぶようにしましょう。
その際には、一括査定を利用すると手間がかからず、また自分の売却する不動産にあった不動産会社の紹介を受けられるため、おすすめです。
不動産売却を検討中ならまず査定をすることから。
複数の会社に依頼することで平均的な査定額がわかります。
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この記事の監修者
AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士
明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。