不動産売却における机上査定と訪問査定とは?それぞれの違いや特徴を紹介します

2024.07.09更新

この記事の監修者

逆瀬川 勇造
逆瀬川 勇造

AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士

不動産売却における机上査定と訪問査定とは?それぞれの違いや特徴を紹介します

現在住んでいる物件の売却を検討されている方に、査定の種類やそれぞれの違い、特徴などを具体的にご紹介いたします。

不動産売却を検討中ならまず査定をすることから。
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目次

不動産売却の査定とは

不動産会社に売却を依頼する「媒介契約」の契約期間が一般的に3カ月であることから不動産売却の査定とは、「おおむね3カ月以内に売却できる価格を求めること」です。

ただし、不動産の売買価格は売主と買主が納得した価格で決まるため、正しい査定額というものは存在しません。とはいえ、せっかく売却するなら少しでも高い価格で売却したいですよね。そのためには、不動産の査定方法を知ることが大切です。

この記事では、不動産売却全体の流れや、査定を受ける前にやっておくべきことをお伝えします。また、査定には種類があるので、それぞれの違いや特徴をしっかり把握しましょう。

売却の流れ

不動産売却は一般的に以下の流れで進みます。

準備→査定→媒介契約→売却活動→契約

不動産売却に必要な期間目安
1.情報収集・事前準備・一括査定(1~4週間程度)
2.媒介契約締結・売却活動・見学・価格交渉・売買契約(1~3か月程度)
3.手付金受領・物件引き渡し・残代金受領(1~2か月程度)

まず、準備段階では売却する不動産の価格相場を自分で調べたり、整地や解体、分筆・合筆したりするなど、売却する前に必要なことをします。それらの準備が終わったら、不動産会社に査定を依頼することになります。

不動産会社から査定額の提示を受け、売却方針などに問題ないようであれば媒介契約を締結し、不動産会社が不動産の売却活動を始めます。

売却活動の結果、買主を見つけることができれば売買契約を締結し、買主のローン審査などを経て代金の入金を受け、引き渡しとなります。なお、媒介契約締結後、3か月で売買を決められなかった場合にはほかの不動産会社と改めて媒介契約を締結することもできます。

査定の前に価格相場を調べよう

査定前の準備段階で、売却する不動産の価格相場を調べることに触れていますが、これはどのように調べるとよいのでしょうか。これについては、「近隣の類似物件の価格を調べること」「公的な価格を調べること」の2つを実践してください。

「近隣の類似物件の価格を調べること」については、スマイティなどを閲覧し、売却する不動産の周辺で、面積や用途などが似た物件を探し、価格の参考とします。少なくとも3件以上の物件を見つけ、平均価格を出すことで相場を知ることができます。
「公的な価格を調べること」については、地価公示や都道府県地価、相続税路線価、固定資産税評価額といった価格を調べて売却価格の参考としたり、不動産価格指数を調べて不動産価格全体の推移の参考としたりすることができます。地価公示や都道府県地価、相続税路線価についてはすべてネットで閲覧することができます。

また、固定資産税評価額については市区町村から毎年送られてくる納税通知書に記載があるので見てみましょう。

地価公示や都道府県地価については、おおむね取引価格と同程度、相続税路線価は8割程度、固定資産税評価額は7割程度の価格を目安に定めることとされています。

不動産価格指数は「全国・ブロック別・都市圏別・都道府県別に不動産価格の動向を指数化したもの」で、国土交通省より毎年発表されています。

査定の方法は机上査定と訪問査定の2種類

事前準備が整ったら、不動産会社に査定を依頼することになりますが、査定には「机上査定」「訪問査定」の2種類があるため、目的に応じてどちらで査定を依頼するのか決めておくことが大切です。

査定後は、不動産会社から査定価格の提示を受けますが、実際の売り出し価格は売主が自由に決めることができます。売主としてはできるだけ高い価格で売却したいところですが、相場よりあまりにかけ離れているようであれば売却を決めることは難しいでしょう。

一方、相場より安く設定してしまっては、本来であれば得られたはずの金額より低い価格での成約となってしまう可能性があります。不動産会社が提示した査定額やアドバイス等を参考に売り出し価格を決めるとよいでしょう。

このため、査定を依頼する際には単に査定額に留まらず、査定の根拠なども重要となります。以下、「机上査定」と「訪問査定」それぞれについてその特徴や査定の根拠などお伝えしていきます。

机上査定:相場観を知りたい方におすすめ

机上査定とは実際に現場を訪れず、登記事項証明書など書類のみで不動産の価格を査定する方法です。依頼から3日程度、場合によってはその日中に査定額を知ることができる一方、現地を見ていない分、査定の精度が劣ります。

机上査定の算出根拠

机上査定では、「近隣の類似物件の取引相場」や「公示地価や固定資産税評価額などの公的価格」などを元に、土地の大きさや形、地目、用途地域など資料で確認できる範囲のもので価格が算出されます。

マンションの場合、取引事例も豊富なことから、ある程度高い精度の査定も期待できますが、周辺環境が重要な土地や、個別性の高い戸建住宅などには向きません。

机上査定の特徴

机上査定の1番の特徴はすぐ査定額が出ることです。不動産会社に電話やインターネットから依頼し、2~3日中にはその結果を聞くことができるため、「まだ売却するかどうか検討している段階」「さっと相場観を知りたい」といった方に向いている査定方法だと言えます。

訪問査定の場合は不動産会社が物件訪問時に立ち合わないといけないため、そうした時間を取れない方や、物件が遠方で立ち会えない方は机上査定を選ぶことが多いです。

机上査定で不動産会社を判断する基準

机上査定の場合、書類上の情報のみを参考に査定が進められるため、査定の根拠についても説得力に欠けています。ただ、売却する不動産の周辺で取引実績が豊富な不動産会社であれば、エリアごとの特徴をしっかりと把握している可能性もあり、現場を見なくとも精度の高い査定額を提出してくれるかもしれません。

査定額を聞くときには、その査定額の根拠が書類上のものだけに留まらず、過去の取引実績から類推した根拠などがあると信頼性が高い不動産会社だと判断しやすくなります。ただし、気を付けなければならないのが、根拠もなく高い価格を提示する会社です。

こうした会社に依頼すると、査定価格通りには売却できず、結局値下げを繰り返していくことになり兼ねませんので注意が必要です。

たとえば、5~6社の不動産会社に机上査定依頼し、その中で「平均的な査定額を提示した会社3社を訪問査定を依頼する」といったような方針で取るのも1つの手だと言えます。

訪問査定:現実的な価格を知りたい方におすすめ

訪問査定は机上査定のように資料上の査定を行ったうえで、実際に現地を訪れて査定額を算出する方法です。建物がある場合には立ち会いの必要があり、査定額が出るのは現地訪問から1週間~10日後となります。立ち会いが必要なことに加え、査定に時間がかかってしまいますが、机上査定より精度の高い査定を期待できます。

訪問査定の算出根拠

訪問査定では、机上査定で根拠とする情報に加え、実際に現地を見て得られた情報を価格の根拠とすることができます。

具体的には室内の状態を確認するだけではなく、建物の劣化や実際の日当たりに加え、駅からの距離な、スーパーや学校などへの距離、周辺環境、街灯の有無など立地についても査定額に反映されます。マンションの場合は専有部のほかに共用部や、近隣住民の情報なども査定額の対象になります。

不動産会社は物件に対して、さまざまな価格要素、購入判断要素、トラブル要素をチェックし査定額を算出しているのです。

訪問査定の当日までにやっておくこと

訪問査定では建物の不具合などがチェックされるため、訪問査定当日までにできるだけよい状態にしておきましょう。

具体的には、以下のようなことをやっておくことをおすすめします。

・部屋の整理整頓
・設備の修繕
・必要書類の準備

必要書類については、必須となるのは登記簿謄本や公図などですが、それに加えて以下のようなものを準備できるとさらに精度の高い査定ができます。

<必要書類チェックリスト>
□パンフレットや設計図、リフォーム図など建物の図面
□不動産の周辺環境が分かる鳥観図など
□購入時の売買契約書
□新築時の各種設計図書
□(マンションの場合)管理組合関係書類

※必要書類は不動産会社によって異なるため、それぞれの会社に確認をしてください。

訪問査定時に不動産会社に伝えること

訪問査定を受けたときには、主に「この不動産に住んでみないと分からないこと」を伝えることを意識しましょう。

・日当たり
・雨漏り
・騒音
・におい
・交通の便
・近隣入居者の雰囲気
・スーパー・学校までの距離
など

そのほか、もし過去に事件・事故・死亡があった場合は、訪問査定の時点で伝えておきましょう。知りながら隠しておき、売買契約が決まった後で買主がそのことを知った場合、損害賠償請求がなされることもありますので注意してください。

訪問査定の特徴

訪問査定は机上査定で査定する内容に加え、実際に現地を見て査定額を算出してくれるので、より精度の高い査定額を知ることができます。

訪問査定では対象物件まで不動産会社の担当者に訪問してもらう必要があるため、そのときに必要な情報を対面で伝えることができます。多少時間がかかっても、より正確な査定を受けたいという方におすすめの方法です。

実際に不動産を売却するのであれば、いずれにせよ訪問査定を受けるのが原則です。査定を依頼する段階から、売却することを決めているのであれば、最初から訪問査定を選んでもよいでしょう。

机上査定と訪問査定の両方するという手段もある

机上査定はすぐに査定結果を聞けるものの、査定の精度に問題がある可能性があり、一方で訪問査定は時間はかかるものの制度の高い査定を受けられるという特徴があります。

不動産売却では、どの不動産会社を選ぶかによって成否が決まるため、時間に余裕のある方は「まずは机上査定で多くの不動産会社に査定を依頼し、その中で気になった不動産会社に訪問査定を依頼する」といった形をとるなど、両方してみるのもおすすめです。

査定は価格と根拠に納得できることが大切!

査定を依頼すると、なかにはほかの不動産会社より大幅に高い査定額をつけてくれる不動産会社がいます。売主としては、できるだけ高い価格で売却したいと思っており、そうした提案をしてくれる不動産会社に依頼してみたくなるものです。

しかし、不動産会社としては、まずは媒介契約を得られなければ話を前に進めることができないため、ひとまず高い査定額を提示するといった考えの場合もあります。このため、査定を受ける際には単に査定額だけでなく、根拠と説得力のある査定額を提示してくれるかどうかが重要なポイントとなります。

不動産会社選びのポイント

査定額の提示後、どの不動産会社に媒介契約を依頼するかについては以下のようなポイントを押さえておきましょう。

・不動産会社の強み
・販売方法・売り方の方針
・不動産会社の担当の対応

不動産会社の強み

不動産会社によってマンションの売却に強いのか、戸建て住宅の売却に強いのか、またマンションだった場合、ファミリータイプの売却に強いのかシングルタイプの売却に強いのかなど、各社特徴があります。売却しようとしている不動産が、その不動産会社の強みに合致しているかどうかを、過去の販売実績などから判断しましょう。

販売方法・売り方の方針

どのように販売していくのかもポイントとなります。不動産会社によって、昔から地元の人を相手に取引をしており、主にそうした顧客を相手にしているのか、広告の発信力があり、新規の取引をどんどん開拓しているのかなど違いがあります。

また、広告にしてもチラシに強い会社であれば比較的年齢が高い人にも情報が伝わりすく、ネットに強ければファミリーなど若い年代を含めた幅広い層に情報を発信できるといった特徴があります。こうした、販売方法が自分の売却したい不動産とマッチするかどうかを確認するとよいでしょう。

不動産会社の担当の対応

媒介契約を結んだ後は3か月前後、その不動産会社と細かな連絡をとることになります。質問したときの返答内容に満足できるか、返信までのスピードに不満を感じないかや、問題があったときに誠実な対応をしてくれるかといった対応面も判断材料にし、今後の売却活動を任せられる担当者かを見極めておくとよいでしょう。

まとめ

机上査定と訪問査定の違いについて、それぞれの特徴を踏まえながらお伝えしました。不動産の売却を考える際には、査定の目的に応じて適切な査定方法を選べるとよいでしょう。なお、不動産売却はどの不動産会社に売却を任せるかで成否が決まることが少なくありません。

「1社にだけ査定依頼して見極められず失敗してしまった」といったことのないよう、複数の不動産会社に査定依頼し、そのなかで気に入った不動産会社と媒介契約を結ぶようにしましょう。

その際には、一括査定を利用すると手間がかからず、また自分の売却する不動産にあった不動産会社の紹介を受けられるため、おすすめです。

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逆瀬川 勇造
逆瀬川 勇造

AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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