店舗の備品が誰の所有物なのか事前に調べ、
書類を早めに用意しておくことも大切です。
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※ページ下部の「売却査定、買取査定サービスの注意点」をご確認いただいたうえ、ご利用ください。
目次
店舗売却は「居抜き」が一般的
居抜きとは飲食店や美容室などの什器や備品を設置したままの状態で売買することで、購入者側のメリットとしては、やりたい業種が同じであれば当初の費用を安く抑えられる点にあります。
また、売却する側としては解体費用等が不要となり、手元に残すお金を多くすることができます。
店舗売却の注意点
たとえば、売却する什器や備品に椅子やテーブル、電話機や専用機材など何がどれだけ含まれているかを事前に取り決めしておかないと、売主と買主との間で認識の相違が生じてしまう可能性があります。
リース物品
備品の不具合
これまで使ってきて、不具合を感じることなどあればそのことも伝えておくとトラブルに発展するのを防ぐことができます。
なお、備品に何らかのトラブルがあったことを知っておいたのにも関わらず、そのことを伝えずに物件を引き渡した場合、開店直前にそのことが原因で開店できなかったといったことになってしまえば、損害賠償請求や契約解除といったことになる可能性もあります。
また、事前に伝えた備品や什器の種類や数と、実際のものとが異なっていた場合には売買金額の減額等で調整されることもありますので十分に注意しましょう。
店舗売却の流れ
なお、店舗売却は物件オーナーが店舗を運営している場合と、物件オーナーと店舗運営者が別々の場合があります。基本的な流れは一緒ですが、異なる点についてはそれぞれの項目で違いを解説していますので、確認してみてください。
1.仲介業者のヒアリング
・住所
・閉店時期
・希望の売却価格
・リース契約の有無/不具合の有無
特に備品や什器に関しては居抜き売却に含まれるものや所有権なのかリース契約なのか、また故障しているものや不具合のあるものはないかなどまとめた書類を用意しておくとスムーズです。
また、売買契約書(賃貸の場合は賃貸借契約書)や平面図のコピーも渡しておくとよいでしょう。
2.現地調査・査定
立地や店舗の大きさ、形などは書面でも確認できますが、実際に現地を訪れると使いやすい形なのか、付近の雰囲気はどうなっているのかといった点まで確認できます。
物件の特徴など、売主しか分からない情報も伝えると査定額に影響があることもあるため、積極的に伝えていきましょう。
なお、業者に査定を依頼する前に自分でもある程度相場を調査しておくとスムーズに話を進めやすくなります。店舗の売却の場合、マンションや土地、戸建ての売却と比べて数は少なくなりますが、それらと同じように不動産サイトで類似する売却物件を探すなどの方法で相場を把握するのが基本となります。
3.販売活動
店舗売却の場合、マンションや土地、戸建て売却と比べて、メインターゲットが事業者になり、対象者も少なくなってしまいますが、どの媒介契約を選べばよいかについては一長一短あります。
たとえば、過去に取引経験があり、店舗売却についても豊富な実績を持つ会社があるのであれば、専任媒介契約や専属専任媒介契約を選んだ方が積極的に売却活動に取り組んでもらいやすいでしょう。
一方、一般媒介契約だと複数の不動産会社を通して多くの方に店舗売却の情報を伝えることができます。状況に応じて適切な契約形態を選ぶことが大切です。
なお、広告や案内などはすべて仲介業者が行いますが、売主としてはいつ購入希望者が内見に訪れてもよいように、常に店舗を清潔にしておくことが大切です。
4.売買契約締結
基本的に、契約書等は仲介業者が全て用意してくれます。売主としては、改めて譲渡する備品や什器の確認を行い、必要に応じて書類の更新など行っておくとよいでしょう。
店舗運営者が物件オーナーでない場合には、物件オーナーと新借主との間で賃貸借契約を結び、店舗運営者と新借主との間で造作譲渡契約書(備品や什器の譲渡に関する契約書)を締結します。
5.店舗引き渡し
店舗売却にかかる費用
仲介手数料
というのも、居抜き店舗売却の場合、通常の不動産売却で適用される宅地建物取引業の適用を受けず、法的な整備がまだなされていないからです。
店舗売却の仲介手数料については、仲介を担当する業者によって異なりますが、一般的には「30万円または売買金額の10%」とすることが多くなっています。
譲渡所得税
これを譲渡所得税と呼びますが、店舗売却の場合、土地や建物の売却で得た利益と、備品や什器を売却して得た利益については別に考える必要があります。土地や建物を売却して得た利益については、分離課税といって、給与所得など他の所得とは別に計算し、税率も別となります。
なお、土地や建物に関する譲渡所得税の税率は、所有期間5年以下で39.63%(短期譲渡所得)、5年超で20.315%と大きく異なる点に注意が必要です。
また、備品や什器を売却して得た利益は総合課税といって、給与所得などと合算して計算し、所得額が大きければ大きい程税率も高くなる累進課税となっています。物件オーナーと店舗運営者が同じで、店舗を売却する場合には、上記2つとも税金の計算をする必要があります。
一方、物件オーナーと店舗運営者が別の場合で、備品や什器を売却し、賃貸借契約を引き継ぐケースでは、後者の総合課税分のみ計算すればよいということになります。
印紙税
物件オーナーに支払う承諾料
これは、法律で承諾料を請求することが認められているわけではありませんが、慣行として行われていることが多いものです。
費用は当事者同志の話し合いで決められますが、譲渡代金の10%程度を目安と考えるとよいでしょう。
まとめ
こうした書類は手続き上必須のものではないため、作成せずとも契約を済ませることはできるのですが、後々のトラブル回避につなげられる他、仲介業者が売却活動を行う際に売却物件のアピールにつなげられることもあるため、しっかり準備しておくことをおすすめします。
店舗の備品が誰の所有物なのか事前に調べ、
書類を早めに用意しておくことも大切です。
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この記事の監修者
AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士
明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。