相続予定のアパートを売却する際の手続きと費用や税金についてご紹介します

2024.07.29更新

この記事の監修者

逆瀬川 勇造
逆瀬川 勇造

AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士

相続予定のアパートを売却する際の手続きと費用や税金についてご紹介します

相続したアパートの売却を検討している方に、手続き方法や必要書類、売却にかかる費用などについて詳しくお伝えしていきます。

ご自身で相場を把握した上で、
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目次

アパート相続が負担になってしまうとき

アパートを相続できると聞くと幸運な気もしますが、いざ相続した後のことを考えると、そう簡単な話ではありません。相続後は、入居者募集や物件清掃などの管理業務や状況に応じた修繕の判断など経営者としての仕事をしなければならないのです。

経営を大変だと感じたり、そもそも物件に空室が多かったり収益が見込めない場合、相続後の売却を検討するとよいでしょう。

一度はアパート経営を検討してみよう

ただし、アパートの相続が決まったのであれば一度はアパート経営に取り組むことを検討してみることをおすすめします。

特に相続する予定のアパートに現段階で十分な入居率を保っているようなケースでは、管理会社に任せてしまっても毎月一定の収入を得られるはずです。相続が決まったら、まずはアパートの経営状況を確認するとよいでしょう。

サブリースで経営継続する方法もある

アパートの経営を負担に感じているようであれば、サブリース契約を考えてみるのも一つの方法です。サブリース契約とは、サブリース会社に物件を一括して貸し出し、オーナーは入居者からではなくサブリース会社から賃料を受け取るものです。

サブリース契約の大きなメリットは空室が生じても毎月同額の賃料を受け取れること(ただし、空室状況に応じて賃料が増減するものもあります)。また、物件の管理は全てサブリース会社が行うため、オーナーは管理の手間なく毎月の賃料を受け取れます。ただし、手数料は高くなってしまう点に注意が必要です。

サブリースについては以下の記事で詳しく説明しています。

アパートを売却する前にやるべきこと

さて、ここからは事業承継について検討したものの、やはりアパート経営を継承したくないという方に、アパートを売却する前にやるべきことをお伝えしていきます。

アパートを相続する

アパートの相続が決まった後、被相続人(亡くなった方)から相続人に名義を変更する手続きのことを相続登記と呼びます。この相続登記は義務がなく、期限が設けられていませんが済ませておかないと売却できないため、売却するのであればまずは登記しておく必要があります。

ローンの有無を確認する

ローンの残債がある場合には、毎月返済が発生しますし、売却する場合には売却代金から残債を捻出する必要があります。売却代金をローンの返済に充ててもなお残債がある場合は、その残債について自分で支払わなければなりません。

こうなってしまっては、相続した意味がなくなってしまうため場合によっては相続前に相続放棄を検討することも必要になるでしょう。

アパートの所有期間を確認する

アパートの所有期間についても確認しておきましょう。これは、アパートを売却して利益があった時に、その利益に対して課される譲渡所得税の税率が所有期間によって異なるからです。

具体的には、所有期間が5年以下の時は短期譲渡所得として39.63%(所得税30.63%+住民税9%)、5年超の場合には長期譲渡所得として20.315%(所得税15.315%、住民税5%)となっています。

なお、相続についてはこの所有期間を被相続人(亡くなった方)の所有期間と合算してもよいこととされています。

・参考:相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期|国税庁

入居者へ通知する

相続したアパートを売却する場合、事前に入居者に大家が変わる旨を伝えておくとよいでしょう。アパートを売却して大家が変わることについて、入居者に伝える義務はありませんが、これをやっておくと売主、買主、入居者共にスムーズに話が進みやすくなります。

たとえば、入居者が家賃をオーナーに振り込んでいたような場合、振込先が変わることになります。通知が遅れ、家賃の振込を受けてしまっては、買主に再度振込しないといけないなど手間が生じてしまいます。

共有者全員の意思を確認する

アパートを複数人で相続したような場合、アパートの売却方法をどうするか(どこの会社に依頼するかや、売却価格をいくらくらいで考えているかなど)、共有者の意思を確認しておきましょう。

築年数を確認する

アパートについては築年数も確認しておくようにしましょう。築年数が古いアパートだと、買主側がローン付けしづらくなり場合によっては現金を持っている買主しか購入できなくなることもあります。特に木造アパートだと築年数が20年を超えると融資が難しくなるため、注意が必要です。

ただし、築20年を超える物件であっても物件や金融機関によっては借入期間10~15年程度で融資してくれることもあります。このように築年数が古くても融資を受けるためには、審査時に適切に修繕されているか見られることが多いため、修繕状況をしっかり確認しておくことが大切です。

相続したアパートの売却手続きの手順

上記やるべきことを済ませたら、売却手続きに進めましょう。

1.売却に必要な書類を準備する

まずは売却に必要な書類を用意しましょう。相続登記が済んでいれば、その後の売却手続きについては通常の不動産売却と同じです。
具体的には、以下のような書類を揃えておきましょう。

・登記済権利書または登記識別情報
・固定資産評価証明書
・身分証明書、実印、印鑑証明書、住民票
・各種建築図書

2. 仲介会社に依頼する

必要な書類を揃えたら、仲介会社に売却を依頼します。仲介会社に査定を出したら1週間~10日程で査定結果が出るため、その結果を見て仲介を依頼するかどうか決めます。査定結果に納得したら、媒介契約を締結し、仲介会社は売却活動を始めます。

売却相場の確認も忘れずに

仲介会社に査定を依頼すると、査定額を聞くことになりますが、この査定額は不動産会社によって異なります。提示された査定額が適切かどうかを自分である程度把握できるようにするために、事前に売却相場を確認しておくようにしましょう。

具体的には、周辺で売りに出されているアパートの内、売却したいアパートと近い物件を参考にしたり、複数の不動産会社に査定依頼して、査定額を聞く中で相場を把握したりします。

3.売買契約を締結する

仲介会社の売却活動の結果、買主が見つかり、価格面などで折り合いがつけば買主との間で売買契約を締結します。売買契約締結後は、買主のローン本審査となります。ここでローンが否決となった場合に売買契約も解約となってしまうため注意が必要です。

4.アパートを引き渡す

買主のローンが承認となったら、売却代金を受け取り、アパートを引き渡します。

相続したアパートの売却にかかる費用

相続したアパートを売却する際、以下のような費用がかかります。

・譲渡所得税
・仲介手数料
・登録免許税(抵当権抹消登記、所有権移転登記)
・印紙税など

この中でも高額となりやすいのが譲渡所得税と仲介手数料です。

仲介手数料については売買価格の「3%+6万円+消費税」が上限額となっており、たとえば5,000万円のアパートであれば168.48万円にもなります。

また、譲渡所得税については、売却代金から取得費(物件を購入した時の購入代金や経費)や譲渡費用を差し引いた額に税率が課されます。たとえば、1,000万円の利益が生じ、所有期間が5年超であれば200万円強(20.315%)を納める必要があります。これらの費用について、事前に金額を計算しておくようにしましょう。

譲渡所得税の軽減

相続した不動産を売却して生じる譲渡所得税については、「取得費加算の特例」の適用を受けることで軽減を受けることができます。これは、相続税の申告期限から3年以内(つまり、相続の開始から3年10カ月以内)に相続した不動産を売却する場合、すでに支払った相続税の一部を譲渡所得税から控除できるというものです。

譲渡所得税は高額となりやすいため、少しでも納税額を抑えられるよう、取得費加算の特例があることを覚えておきましょう。

できるだけ高値で売却するためにできること

相続したアパートをできるだけ高値で売却するにはどうすればよいのでしょうか?

周辺の不動産価格を調査する

まずは、仲介会社の提示する査定価格が適切なものであるかどうかを判断するためにも、売却するアパート周辺の相場を把握しておくようにしましょう。なお、アパートの売却価格は一般的のその収益性に着目して価格が決められますが、仮にアパートを解体したとしても土地は残るため、「土地値がいくらになるのか」を把握しておくことは大切なことです。

仲介会社を比較する

仲介会社に査定を依頼すると査定額の提示を受けることができます。査定額は、仲介会社によって異なるので複数で比較検討することをおすすめします。なお、よい仲介会社を見つけるためには、査定額も大切ですが、それ以上に「査定額の根拠」に注目するようにしましょう。

たとえば、どのような査定法を用いてその査定額を出したのか、具体的にどんな方法で売却活動を展開していくのかなど確認し、説得力の高かった会社に売却を依頼するとよいです。

良い担当者を見極める

アパートの売却は、仲介会社も大切ですが、最終的にはどの担当者に担当してもらうかが重要なポイントとなります。アパートの売却は、広告活動から案内、契約確定まで全て仲介会社の担当者が行うからです。

査定額の提示を受けるタイミングで、質問を繰り返して適切な回答を得られるかなど見て良い担当者を見極めるとよいでしょう。

販売戦略を確認する

その会社(担当者)に仲介を依頼した場合どのように販売していくかを確認しましょう。

たとえば、すでに物件を探しているお客様(買主)が数人思い浮かぶような担当者であれば心強いですし、そうでなければ、どのような媒体に物件情報を掲載するのかや、過去に類似物件をどのように売却したのかなど確認します。なお、仲介会社が適切な販売戦略を立てるために、物件情報をできるだけ細かく伝えることが大切です。

売却の流れを把握しておく

不動産の売却は引き渡しが済むまで何があるか分かりません。売買契約から引き渡しの間までに買主の心変わりが起こらないよう、売主としては売却の流れを把握しておき、できるだけスムーズに手続きを済ませることを目指しましょう。

まとめ

相続したアパートの売却についてお伝えしました。相続したアパートの売却は、相続登記後の手続きは普通の不動産売却と変わりありません。相場を把握し、査定額を自分で判断できるようにすると共に、できるだけよい仲介会社、よい担当者に売却依頼することを目指しましょう。

その上で、長期譲渡所得や短期譲渡所得の判断に被相続人(亡くなった方)の取得日を適用できることや、譲渡所得税の取得費加算の特例なども活用できるようにしておくことが大切です。

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逆瀬川 勇造
逆瀬川 勇造

AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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