PASSWD(1) Human68k ITA TOOLBOX User's Manual PASSWD(1)

名称

passwd - パスワードの変更

形式

passwd.att [ name ]

passwd.ucb [ name ]

解説

passwd は，ユーザのパスワードの設定や変更を行うためのコマン

ドです．

name はパスワードを変更する対象のユーザの名前（ログイン名）

を指定します．これが省略されている場合，環境変数 USER の値が

対象ユーザ名となります．USER が定義されていなければ，代わり

に環境変数 LOGNAME の値が対象ユーザ名となります．LOGNAME も

また定義されていない場合には，passwd は対象ユーザのログイン

名を尋ねます．入力の終わりは改行（^M または ^J）です．^C は

interrupt文字，^D は eof文字として働き，ここでこれらの文字を

タイプすると passwd は終了します．^H および ^? は erase文字，

^W は werase文字，^U は kill文字，^R は redraw文字として働き

ます．これら以外の入力文字はすべてログイン名の一部として入力

されます．

passwd は，対象ユーザがパスワードを持っている場合にはまず現

在のパスワードの入力を尋ねます．対象ユーザがパスワードを持っ

ていなければ尋ねられません．

次に passwd は，新しいパスワードの入力を求め，さらに，確認の

ためもう一度同じパスワードを入力することを求めます．この 2回

の入力が一致すると，対象ユーザのパスワードが変更されます．

パスワードの入力中は，可能であればエコー・バックがオフになり，

入力中のパスワードは端末には表われません．パスワードの入力は，

改行（^M または ^J）または ^D をタイプすることにより完了しま

す．^H および ^? は erase文字，^W は werase文字，^U は kill

文字として働きます．これら以外の入力文字はすべてパスワードの

一部として入力されます．

パスワードは，8バイトを超える分は無視されます．

passwd.att では，パスワードは 6バイト以上なければなりません．

パスワードには ASCIIアルファベット文字が少くとも 2つ含まれな

ければならず，また，ASCIIアルファベット以外の文字が少くとも

1つ含まれなければなりません．パスワードはユーザのログイン名

やそれを反転あるいは回転したものであってはなりません．パスワー

ドを変更するとき，新しいパスワードは少くとも 3箇所の文字が旧

パスワードと違っていなければなりません．入力されたパスワード

が以上の要件を満たしていないことが 3度に及ぶと passwd.att は

何もせずに終了します．また，1回目の入力と 2回目の入力が合致

しないことが 3度に及んだときにも passwd.att は何もせずに終了

します．

passwd.ucb では，パスワードが ASCII大文字アルファベットのみ

の場合や ASCII小文字アルファベットのみの場合には，パスワード

は 6バイト以上なければなりません．それ以外の場合には，パスワー

ドは 4バイト以上なければなりません．ただし，入力されたパスワー

ドが以上の要件を満たしていないことが 3度に及んだときには，

passwd.ucb はパスワードを受理します．1回目の入力と 2回目の入

力が合致しなければ passwd.ucb は何もせずに終了します．また，

1回目に入力されたパスワードが空である場合にも passwd.ucb は

何もせずに終了します．

環境変数

SYSROOT システムのルート・ディレクトリ

USER デフォルトの対象ユーザ名

LOGNAME デフォルトの対象ユーザ名

関連ファイル

$SYSROOT/etc/passwd パスワード・ファイル

関連事項

login(1), passwd(5)

制作・著作

Copyright(C)1992-94 by 板垣 史彦 (Itagaki Fumihiko)

バグ

パスワードの期限管理は行っていません．

0.3 Last change: 27 Dec 1994 Itagaki Fumihiko