SBIグループが業務改善を実現
[Microsoft Power Platform]
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SBIホールディングス株式会社[金融事業]

同社の「Microsoft 365活用サポートサービス」の活用、取り組みとは

SBIホールディングス株式会社

概要

金融を核に金融を超える事業展開を推進しているSBIグループでは、飛躍的に事業が拡大する中で、デジタル技術を活用したバックオフィス業務の改善がグループ会社ごとに不均衡であることが課題となっており、全社的なバックオフィスのDXプラットフォームの必要性を感じていた。
そこでマイクロソフトのローコード開発プラットフォーム「Microsoft Power Platform(以下、Power Platform)」を最大限活用するため、CTCシステムマネジメント(以下、CTCS)の「Microsoft 365活用サポート」を導入したという。本記事では、同社がPower Platform環境を構築し、業務アプリケーションの開発によって業務効率化を実現していく過程に迫る。

社内DX全社展開の足かせだったデジタル人材不足…
課題解決と知見集約のためのソリューションを模索

1999年に創業し、25周年を迎えたSBIグループ。創業時からネット専業で事業を推進し、証券や銀行などの金融サービス事業に加え、投資事業、資産運用事業、暗号資産事業、次世代事業の5つを中核事業に据えている。次世代事業においては、半導体事業や美術品オークション、化粧品・健康食品、メディカル・ヘルスケア、再生可能エネルギーといった多様な分野での取り組みを行い、グループ会社数は600社をゆうに超える。

SBIホールディングスは、このように多岐にわたる事業を展開するSBIグループの持株会社である。「先進技術を用いて多彩な商品・サービスの提供や新たなビジネスの創出に努めており、昨今は半導体関連事業への参入や地方創生への貢献などにも注力しています」と、グループ会社の業務改善・効率化を支援するIT統括部 デジタル推進グループ長の春木俊介氏は語る。

SBIホールディングス株式会社 IT統括部 デジタル推進グループ長 春木 俊介 氏

SBIホールディングス株式会社
IT統括部 デジタル推進グループ長
春木 俊介 氏

顧客に対し最先端技術を活かした事業を展開しているSBIグループ各社だが、グループ会社によってデジタル人材の規模や成熟度が異なり、バックオフィス業務でのDXの知見やベストプラクティスが十分に平準化されていなかったと春木氏は述べる。

デジタル推進グループが発足した2023年4月以降、春木氏はこうした課題を解決すべく、各社・部署に業務課題に関するアンケートを実施し、SaaS製品の導入など積極的にDX化を進めてきた。しかし、どの部署も日頃の業務が忙しく、導入したSaaS製品はあまり活用されなかったという。この経験から、春木氏は各部署の業務に合ったアプリを自律的に開発・活用できる環境を実現するデジタルアダプションプラットフォーム(DAP)の必要性を痛感し、選定に着手したものの、適切なソリューションを見つけられずにいたと振り返る。

その年の7月、春木氏は業務改善に向けた情報収集のため、東京ビッグサイトで開催された「DX EXPO 2023 夏 東京」へ足を運んだ。そこで出展されていたのが、CTCSの「Microsoft 365活用サポート」だ。関心を持った春木氏は、その後詳しい説明を聞き、複数回の提案を受ける中で「Microsoft 365活用サポート」の導入を決定したという。

CTCSの「Microsoft 365活用サポート」の導入で業務アプリの自社開発を推進

「Microsoft 365活用サポート」は、Microsoft 365の各種アプリを連携する事で、自社業務に合ったアプリを構築し、作業を自動化するなど、業務改善・効率化を支援するソリューションだ。

「同様のサービスを比較検討するなかで、CTCSのアプリ作成支援に大きく惹かれました。他社サービスはマニュアルや利用ガイドを作るところまでのサポートに留まり、アプリ作成は利用者が自力で行う必要がありました。また、デジタル推進グループも人数が限られているため、全部署のアプリを作るには限界がありました。そのため、アプリ作成支援をサポートしてくれるCTCSの充実したサポートに魅力を感じました」(春木氏)

CTCシステムマネジメント株式会社 及川 徹也

CTCシステムマネジメント株式会社
ソリューション・開発本部
ソリューション推進部
プロフェッショナルエンジニア 及川 徹也

同社に提案を行ったのが、CTCSのソリューション・開発本部でMicrosoft365アプリを活かした業務改善を支援する及川徹也氏だ。及川氏は「システム化されていない業務が多数残っていることに加え、グループ会社も多いため、各課題に柔軟対応できるサービスとして『Microsoft 365活用サポート』を提案しました」と振り返る。

各社・部署へのアンケートをもとに、課題解決にはDAP導入が必須と感じていた春木氏は、Power Platformの採用を決定。同社ではMicrosoft 365製品の活用を推進しており、同社のライセンス(Microsoft 365 E5)でPower Platformを追加費用なく活用できることもこの決定を後押しした。

「Microsoft 365活用サポート」を通じて提供できるCTCSならではの強みについて、及川氏は「CTCグループでも同じMicrosoft 365 E5ライセンスを契約し、グループ内でさまざまなアプリを作り活用していることから、その知見をSBIグループにも活かせると考えました」と語る。春木氏も、CTCグループですでにPower Platformをベースにした取り組みが行われていることが選定の決め手になったと話す。

想定より早い導入で業務改善・効率化の取り組みに着手

Power Platform導入プロジェクトは2023年9月にスタートした。春木氏は自社で行ったアンケート結果から、及川氏とともに各課題の解決につながるテンプレートアプリを検討し、アジャイル方式で順次作成を進めていった。

「アンケートで課題を把握できていたため、Power Platformの要件定義から設計フェーズ、テンプレートアプリ作成へとスムーズに進みました。また、設計では、CTCグループにおける事例が大きく役立ちました。その結果、12月から翌年1月にかけてPower Platform構築とテンプレートアプリ開発が完成し、現場の利用開始受付も予定より早い2月から開始できたのです」と春木氏は語り、伴走するCTCSのサポートを高く評価する。

開発したテンプレートは「問い合わせ管理」「承認フロー」「台帳管理」の3種類。「問い合わせ管理」ではメール受信からSharePoint上への格納及びチーム内への周知まで、「承認フロー」では申請から承認、チーム内への共有まで、一連の流れをPower Automateを活用して自動化している。2024年4月からグループ各社への導入が本格的に始まっている。テンプレートをもとに、すでにメール添付ファイル自動格納アプリ、会議室予約アプリ、予実管理アプリなどが開発された。8月上旬時点で60強のアプリが稼働しており、業務の電子化・自動化が急速かつ着実に進み始めている。

各社平均で150時間/年の業務時間を削減し、大きな効果を実感

Power Platform構築からテンプレートアプリ作成までの段階は春木氏と及川氏の二人三脚で進められてきた。その後、2024年5月からデジタル推進グループに新たに加わり、各社での展開をサポートしているのが白髭誉利氏だ。

SBIホールディングス株式会社 IT統括部 デジタル推進グループマネージャー 白髭 誉利 氏

SBIホールディングス株式会社
IT統括部 デジタル推進グループマネージャー
白髭 誉利 氏

「Power Platformを活用して現場に合ったアプリが作れることの意義を各社に伝え、活用を推進しています。SBIグループは多彩な事業を展開しており、要求も各社で多種多様です。CTCSからは一人一人のユーザー目線に立った意見を得られるのに加え、Power Platformについて多岐にわたる質問をしても、意味を酌みとり丁寧な回答を迅速にしてくださるので、大変感謝しています」(白髭氏)4カ月で60強というアプリ開発の状況についても「想定よりも早く進められました。テンプレートを用意出来ていたことに加え、CTCSの個別のアプリ作成の支援も受けられたことで、1〜2人の担当者でも平均3時間程度で運用可能な状態のアプリを作成できています」と白髭氏。

たとえば効率化対象の業務としては、メールでの問い合わせに関する業務や外交履歴を管理する業務、進捗管理業務、台帳管理業務など様々な業務を対象にしている。「今回の導入により、最大624時間/年、各社平均で150時間/年程度の業務時間削減につながっています。アナログだった作業が自動化されたことで、担当者は優先度の高いタスクに注力できるようになったとのコメントを各社の担当者から聞いています」と白髭氏が付け加えた。

実際にユーザーからは「作業時間を大幅短縮できた」「他社への共有の負担が解消された」「対応漏れがなくなった」「作業の正確性が高まった」といった多くの喜びの声が上がっている。中でも白髭氏が印象に残った答えが「時間制約がある中、自動化によって心に余裕が持て、心理的効果が大きい」というもの。このように、当初の想定外の相乗効果も生まれている。

今後については、業務改善状況の可視化やテンプレートアプリの拡充に加え、Microsoft Copilotなど生成AIも活用して業務改善・効率化を加速したいと春木氏は述べ、CTCSには「伴走するパートナーとして最新情報の提供と、最新トレンドを活用した柔軟な提案・支援を期待したいです」と語る。これに対して及川氏は「生成AIも含めて最新技術を積極的にキャッチアップしながら、実業務に効果的に活かす検討を行い、具体的なサービスとして提供していきたいと考えています」と力強く語った。

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お客様プロフィール

SBIホールディングス株式会社様

SBIホールディングス株式会社様
所在地:東京都港区六本木一丁目6番1号
泉ガーデンタワー
設立 :1999年7月8日
URL :https://www.sbigroup.co.jp/

※本記事は2024年8月に取材した内容を基に構成しています。
記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。

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