2021年国際女性デー
このテーマは、世界各地で今よりも平等な未来の実現と、コロナ禍からの回復に取り組む女性と少女の賢明な努力をたたえるものです。
このテーマは、第65回国連女性の地位委員会の優先テーマ「ジェンダー平等とすべての女性・少女のエンパワーメント達成のための女性の公的領域における完全かつ効果的な参加と意思決定及び暴力根絶」や、UN Womenの旗印でもある「平等を目指す全ての世代」キャンペーン の趣旨とも一致しています。このキャンペーンでは、社会生活のあらゆる領域において意思決定に女性がかかわる権利、同一賃金、無償のケア労働や家事労働の平等な分担、女性と少女に対するあらゆる形の暴力の根絶、女性と少女のニーズに応えた保健医療サービスの提供などを訴えるものです。
女性は、医療従事者、介護者、イノベーター、あるいはコミュニティーのリーダーとして、また新型コロナウイルス感染症の拡大と闘う最も模範的で効果的な国のリーダーとして、闘いの最前線に立っています。新型コロナウイルス感染症の危機は、女性による貢献の重要性と、女性が抱える不平等な負担の両方を浮き彫りにしています。
女性リーダーと女性団体は、新型コロナウイルス感染症への対応とコロナ禍からの回復の取り組みにおいて、そのスキル、知識、ネットワークを駆使しリーダーシップを発揮してきました。今日では、女性がさまざまな経験や視点、スキルなどを提供することによって、すべての人にとってより良い意思決定、政策策定、法整備などに欠かすことのできない貢献ができることが広く認められています。
新型コロナウイルス感染症拡大の波を食い止め、医療や社会経済的影響への対応に成功している国々の大部分は女性が率いています。例えば、デンマーク、エチオピア、フィンランド、ドイツ、アイスランド、ニュージーランド、スロバキアの国家元首は、コロナウイルス感染症に対する国家の対応が迅速で明確かつ有効であり、事実に基づいた公衆衛生に関する情報を国民に寄り添った形で発信したと高く評価されています。
それでもなお、女性が国や政権の長である国は世界でわずか20カ国です。[1]
女性の社会参加とリーダーシップに対して根深く残る社会的・構造的な障壁に加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大によって新たな障壁が現れました。世界中のいたるところで、女性たちは家庭内暴力の増加や無償のケア労働、失業や貧困に苦しんでいます。最前線で働く人の大半が女性であるにも関わらず、各国や世界の新型コロナウイルス感染症対策の政策策定の場における女性の参加は少なく、不適切な状況であると言えます。
女性の権利を擁護し、感染症への備えや対応に女性の潜在的なリーダーシップを十分に活用するためには、多様で幅広い女性や少女の視点を、感染症対策と危機からの回復にかかるすべての分野と段階において、政策やプログラムの策定と実行の中に取り込んでいかなければなりません。
国連の国際女性デー 2021に関する詳しい情報は、随時HPに更新していきます。ソーシャルメディアのハッシュタグは#IWD2021と#InternationalWomensDayです。
注記:
[1] 2020年11月8日現在。これらのデータは、国連常任理事国からの情報に基づきUN Womenが編集しました。選挙で選ばれた国家元首のみが考慮されています。
英語の原文はこちら。
(訳:国連ウィメン日本協会/ 松本香代子・実務翻訳スクール)